今、フジテレビで起きている問題。これは日テレの「セクシー田中さん」問題と根っこが同じだと思っています。
ポイントは、会社の上層部が「支配者側」という意識を持っていることです。この「支配者側」は単に役職に基づくものではなく、上層部に近い人、あるいは上層部に利益を提供できる人もその一部に含まれます。だから、脚本家であっても上層部と相互に利益を与え合える関係であれば、その「支配者側」に立てるわけです。原作者を軽視するような発言が出るのも、こうした構造が背景にあるのだろうと思います。
「支配者」であることを証明するには、支配される側にストレスを与え、それを周囲に見せつける必要があります。一番手っ取り早く力を誇示する方法は、法を犯すような行為で相手を服従させることです。これは、服従させる側にとっての「支配の儀式」みたいなものかもしれません。
しかし、誰かに「見せつける」以上、情報を完全に外に漏らさないことはできません。たとえ秘密裏に処理しようとするつもりだった人たちも、状況が反転すれば暴露する人が現れるでしょう。
本来、仕事における「上下関係」は単なる「役割分担」に過ぎないはずです。そこに「偉い」「偉くない」という価値観は不要です。しかし現実では、役職を持つ人の多くが「自分は偉い」と思い込み、使われる側もそれを認めてしまっています。この構図が支配者を生み出す土壌になっています。
悪い支配者を生み出さないためには、「偉い人」という幻想を捨てること、そして小さな服従をやめることが重要です。「嫌だけどお金のため」と言いながら従うのは、支配者の愚行を認める共犯行為です。
結局のところ、「皆が偉いと思う幻想」が悪い支配者を作り出しているのです。共犯者にならないためにも、「役割」として関係を捉え、支配的な行動に対しては断固として拒否することが必要です。