引っ越し先のマンションに前もって本棚を買った。
今までの家は小さな本棚しかなく、買った本は押し入れに積まれていった。それを引っ越しを機に整理したいのだ。
買った本棚は組み立て前のもので、自分で組み立てる必要がある。2人がかりで1時間程度でできるだろう。
そんな安易な考えが大間違いだと気づくのに10分はかからなかった。
板にダボをはめ込み組み合わせてくが、一枚はめたら反対の一枚が外れるを繰り返し、一向に作業は進まない。そして運が悪いことにこの作業している部屋だけエアコンがない。
梅雨明け、快晴。日頃汗をかかない私のTシャツが絞れるほどに汗で濡れている。暑い。きつい。
なぜ組み立てを家具屋さんに任せなかったのだろう。組み立て代1000円を節約したつもりで、体感はすでに気分が5000円損している。
どうにかこうにか3時間ほどで本棚は完成。達成感よりも徒労感の方が優った。
餅は餅屋。家具は家具屋。世の中はその道のプロたちのおかげで回っている。専門外のことは趣味やエンタメでもないのならやらない方がいい。きっと家具のスペシャリストならこの本棚を30分もかからず組み立てしまうのだろう。
私は二度と家具は組み立てないと決めた。