来兎の研究室跡地

作曲家、来兎の雑記です

生活の中でのロジカルシンキング


ロジカルシンキングができない人々【論理よりも感情が優先される国】

事件が発生した場所で同じような事件が発生する確率は最も低く、1等当選宝くじが出た場所で、再び1等当選が出る確率は最も低い。これは統計的な事実であり、残念ながら感情論が入り込む余地はない。

 こういう考え方をする人は多いです。

この手の人は統計を誤解しています。統計というのは世の中で起こったことを特定の条件で集計した結果であり、世の中が統計結果に合わせて動いてるわけじゃない。

1等がよく出る宝くじ売り場に並ぶ人は、確率ではなく「目に見えない不思議な力」を信じている。1等が多く出る売り場の条件はただひとつ「たくさん売れている売り場」というだけのこと。1等がでることに全く不思議はないですが、買う人それぞれの当たる確率は買う枚数で決まるので、どの売り場で買うかは関係ありません。

 

どちらのタイプしたってロジカルではないです。

 

上記の記事の場合、小学5年生殺害事件によってその周辺が不安に陥ったのなら、防犯を強化して不安を軽減するのは合理的な判断です。 

人が不安になっているときにデータなどを持ちだして「その不安は無意味だ」と言ったところで不安はなにも解決しない。言った本人はそれでロジカルだと思っているかもしれないが(実際間違ってますが)、問題解決としてのロジカルシンキングならば、なんら問題解決(この場合不安を解消すること)となっておらず全くロジカルじゃない。

「人類すべてがロジカルシンキングすれば解決」という答えを導き出すことをロジカルシンキングとは言わないでしょう。

ロジカルに考えるということは感情を無視するということではないです。むしろ、感情に抱える問題を解決することにこそロジカルシンキングを用いるべきであり、最優先するべきは感情です。