来兎の研究室跡地

作曲家、来兎の雑記です

誰でも簡単に出来る

昔から「誰でも簡単に弾ける」という触れ込みで新しい電子楽器がよく作られますが、それが本当に新しい楽器として定着したという話を聞いたことがありません。

この「誰でも簡単」というのは、仕組み的にはドレミファソラシドから音痴になりやすい音程を出ないようにしたり、和音をあらかじめひとつのキーにアサインしたりして、テキトーに音を出してもそれなりに音楽として成立させるという仕組みです。

特定の曲はそれで確かに簡単に弾けるようになるでしょう。しかし、それは実際には弾けるような気になっただけで達成感もないのでしょう。

 

世の中簡単にできることなんてないです。

最近のAIにしても、絵や文章を生成するだけなら誰にでもできますが、本当に誰でも簡単にできることは「出来る」と言う意味がありません。「出来る」とは、誰でもができないことが自分に出来るから意味があるのです。