来兎の研究室跡地

作曲家、来兎の雑記です

安易に「相談に乗るよ」と言う人

安易に「相談に乗るよ」と言う人が不思議です。

これを言える人は、なぜ自分が相談に乗って良いアドバイスができると思えるのでしょうか。

「愚痴を聞くよ」ぐらいならわかります。

しかし相談はとんでもなく難しい。なぜなら、圧倒的に情報が足りないから。相談してきた相手の話には必ずバイアスがかかっているから、言ってることが本当かどうかの判断も必要。

相手の味方になって「そうだねー、大変だったねー」と共感してみせるのもいい。しかしそれは先送りでしかなく、問題の解決にはならない。

一番まずいのは、少ない情報量で間違ったアドバイスをすること。本人はいいことした気分かも知れないけど、場合によっては相手の人生を狂わせるのだから。

 

しかし、安易に「相談に乗るよ」と言う人以上に駄目なのは安易に相談する人。

安易に相談する人は、まず相談しやすい人に相談するでしょう。相談しやすい人に、的確なアドバイスが出来る人はまず居ないです。

相談をするにはまず相談する相手をちゃんと選ぶ必要があるのだけど、一般的には似たような問題を経験した先輩に相談することが多いと思う。でも、きっとよい結果にはならない。なぜなら、その人の経験はその人自身のごく個人的な経験にすぎないから。経験談をもとにアドバイスされてはまず良い判断にならない。

もしひとに相談をするのなら、バイアスを指摘してくれる人がいいと思う。考えの偏りを指摘してもらって、それから自分で考えて結論をだす。

なにより、結論は必ず自分が出した方がいい。なぜなら、その結論が失敗だったとしても、その責任を引き受けるのは自分だから。もし他人のアドバイスにしたがって失敗したら、アドバイスした人を恨むことになるでしょう。

日々生きていくということはものすごい数の大小の決断の連続であり、それから逃れることは出来ない。駄目なひとに相談するぐらいなら、自分で決断して失敗した方がよっぽどマシだと私は思う。

大事な判断を人に委ねることは、自分の人生を生きてないと思いますよ。