事の発端は、東京書籍の英語教科書「ニューホライズン」のキャラクター「エレン先生」の二次創作絵がTwitter上で盛り上がって、その使用について東京書籍へ問い合わせた方が現れたことでした。
この方が「余計なことをするな」とものすごく叩かれたのですが、この問い合わせに対して賛同する方もそれなりにいました。(しかしこの私刑は問い合わせより全然酷いので、良識があるのならやめていただきたいです)
公式の中の人達『二次創作制作者は過剰に萎縮する必要は無い。うまくやれ』 (エレン先生の二次創作に対する東京書籍の公式回答有り。) - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/960866
私も上記のまとめと同様「うまくやれ」と言ってるわけです。
私もかなり昔のアマチュア時代に、二次創作でメーカーに問い合わせのメールをしたことがあるのです。しかし、回答はいただけませんでした。それからしばらくして、回答をいただけなかったことがそのメーカーの配慮であることに気づくのです。
それに気づいたのは、私が権利者側の立場になったからです。仮に二次創作の許可を出そうとすると、許可を出すことでその二次創作の責任の一端を負うことになるので、確認コストが跳ね上がります。こんな通常の業務と関係ないことに時間を使うなんて実質不可能です。
そこで、許可でも不可でもない「判断保留」という第3の選択肢がとても重要になるのです。(黙認という言葉を「認めた」と捉える方がいたのであえて「判断保留」という言葉を使っています)
現実的に、いわゆる同人の二次創作で 権利者とトラブルになる可能性はかなり小さいです。だったら落とし所として権利者が「判断保留」しておいて、もしなにかしら問題があったらそのときにアクションを起こすことにすれば、権利者もコストを掛けずに済みます。
しかし問題は 、その小さなリスクすら負いたくないという人が少なからず存在することです。どんな小さなリスクも嫌で、絶対安全でなければ安心して二次創作できないと主張します。
しかしそこには矛盾があり、二次創作にかかわらず、創作物を発表すること自体が少なからずリスクを負うことなのです。 だからリスク0で創作するということはあり得ません。
リスクを極限まで小さくすることの問題点はこの本を読んでください。
リスク最小化を極限まで追い求めると、かえってリスクが増大することがわかります。
「ゼロリスク社会」の罠 「怖い」が判断を狂わせる (光文社新書)
posted with amazlet at 16.04.12
権利者と二次創作者がきれいに二分されてるように考えてる方もいるようですが、多くの権利者はアマチュア時代二次創作していますし、プロになっても続けている方もたくさんいます。当然二次創作者の気持ちがわからないわけありません。
私自身初めて世に出した創作物はぷよぷよの同人誌です。
今は権利者側にもなったけど、私の曲を耳コピしてニコ動やYOUTUBEで公開してる人達がいることは嬉しいですし、そこから新しい才能が伸びていってくれたら、私が先輩作家の音楽が好きでコピーして学んだように、微力ながらも次の世代にバトンを渡す役目を果たせたらと思います。
だから、あんまり怖がらずにジャンジャン二次創作してください。
おおっぴらには言えないけど、中の人達は応援してるんですよ。
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