来兎の研究室跡地

作曲家、来兎の雑記です

約束された失敗から学びたい

東京オリンピック、競技には興味ありませんが巨大イベントの運営という観点では興味があります。

開催するしないが未だに語られますが、そもそもの話ですがまず開催できるかできないかを考える必要があると思うんです。
それから考えると、私の感覚としては半年前に仕様を確定できなかった時点で既に失敗が既定路線だと思います。つまり、仕様がコロコロ変わらざるを得ないコロナ禍の今は開催は不可能なのです。

私はちょいちょい大きいライブイベントに行くのですが、数万人規模のライブを時間通り滞りなく終わらせることに毎度感動します。
どれだけ綿密に準備をしてもこの規模で完璧ノーミスはあり得ないので、細かなところで優秀なスタッフが適切なフォローしてるのでしょう。
そんなイベントでも、仕様が途中で変わったりすると開場までにお客さんを収容できず大惨事になったりするんです。

オリンピックはそんなシビアな数万人レベルのイベントを数十連係させて17日間運営するのです。生半可な準備で出来るわけがないのです。
その準備には相応の時間と人材、お金が必要にもかかわらず、東京オリンピックにはその全てが揃っていません。
特に時間はどうにもなりません。演出のスタッフに不祥事が発覚しても、競技会場に不備が見つかっても、もう代わりを探す時間が無いのです。

「頑張り」でどうにかなるタイミングはとうに逸しているのです。

「失敗の本質」という1984年出版の本がありますが、この東京オリンピックはその本に載っている失敗の要因の全てをやらかしていますので、本の内容を思い出しながら約束された失敗を見届けたいと思います。
有名な本ですけど、総理は読んでないんですかね?