授業では、当時の機材やレコーディングで使われたテクニックなどを解説したが、男性は反応の薄さにふと“イヤな予感”が頭をよぎった。そこで、「この中でビートルズを知っている人は?」と尋ねると、手を上げたのは20人中2人しかいなかった。
この記事に対し『ビートルズを知らないなんて』という反応が多く見られました。
専門学校の生徒だから、18〜20歳ぐらいでしょう。生まれたのは1995〜97年。
ビートルズが来日したのは今から50年前。彼らが生まれる30年前です。
『ビートルズを知らないなんて』という人は、自分の生まれる30年前の音楽事情がどうだったのか知ってるのでしょうか?
半世紀前のことはすでに『歴史』です。今の若者がビートルズを知らないのは仕方ないと思います。
だから、教えたらいいんです。昔ビートルズっていうバンドが居て、こんなすごいことをやっていたって。そこから興味を持ってくれたらいいんです。
「音楽業界を目指すなら知ってるべき」とも思いません。
音楽は嗜好品です。まずは今自分が一番好きな音楽を大切にすべきです。好きなアーティストが影響を受けたバンドがビートルズかも知れません。それならビートルズを見る目が変わってくるでしょう。
音楽というものは必ず誰かの影響を受けて作られています。だから、好きな音楽から掘り下げていけば、おのずとその世界は広がります。
私としては、音楽を時代で差別しないことが重要だと思います。
時代々々で良い音楽があります。はじめて聴く音楽に新しいも古いもありません。他人の評価に影響されず、自分で感じるその『良さ』を読み取り分析する力があれば、作り手としても伸びると思います。