来兎の研究室跡地

作曲家、来兎の雑記です

「萌え」の核は魂にある

とある行政が制作したアニメを見たのですが、従来の行政っぽい当たり障りのない絵柄からかなり今風のアニメ寄りの絵柄で制作されていました。


それは良いんじゃないかなと思います。


じゃあ、そのアニメが良かったかと言えばこれが正直全然でして。


絵はそれっぽくなってるのですが、結局のところ内容が全然つまらなく、行政が伝えたいことを単にアニメ絵でやっただけなのです。キャラクターはその伝えたいことを言わされてるだけで魂がないのです。


以前行政の方と話をしたときにゆるキャラをつくりたいという話があったのですが、私は反対しました。

ゆるキャラはそのキグルミではなく中身が本体だからです。中身をちゃんと作り、それを継続的に、最低5年は魂を動かし続ける覚悟がないのならまずうまくいきません。行政にはまず無理です。


話は戻ってアニメですが、これまでパッとしなかった行政のアニメも、絵がそれっぽくなればちょっとは興味を引く感じになるかなと思ってたのですが、こちらもゆるキャラと同じでキャラに魂がないと全然駄目でした。

キャラの「カワイイ」は見た目ではないのです。よくあるアニメっぽい仕草で動かしたからといって可愛くなるわけではなかったのです。そのキャラがちゃんと存在してるような、自らの意思で喋ってるような魅力が重要なのです。


ただ、「目的が面白いアニメを作る」ではなく「行政が伝えたい内容のアニメを作る」でしょうから、このアニメ自体の目的は達成してるんじゃないかと思います。しかし、アニメにすればアニメファンが集まって聖地になると考えてるのなら、かなりアニメファンを甘く見てますし浅はかだと思います。


コンテンツを作る者として、お客さんが楽しんでいただけるものを作る姿勢を貫いていきますし、いちアニメファンとしては、面白いアニメを見たいです。


最初から言いたいことありきで「面白さ」を考慮しないコンテンツなんて、この面白いコンテンツがあふれる世界で支持されるわけがないのです。いい加減そこに気づいてほしいです。