来兎の研究室跡地

作曲家、来兎の雑記です

制作物のクオリティは依頼者で決まる

海外の大統領に対して「スピーチライターが居るから良いスピーチになるに決まっている」というツイートを見かけました。

 こういう誤解多いなと思うんですが、有能な人に仕事を依頼すれば良い結果が得られるわけではありません。良い結果を得たければ依頼者も相応の知識やセンスを身につける必要があります。

東京オリンピックなんかその良い(悪い?)例です。

開会式を担当したスタッフは日本でもトップクラスの人々です。それを依頼者の利己的な思惑で茶々を入れられ、最終的にはとても残念なものになりました。 センスのない人たちからの依頼を受けるとこうなります。

仕事の依頼というものは、お金を出して「お願いします」と言えば勝手に仕上がるわけではありません。
どんなものを作って欲しいのかをざっくり方向性を決めるぐらいまでは依頼者がやらないといけないのです。そこから、専門家といっしょに具体化できるように落とし込んでいくのです。

しかし、特に日本ではお金を出すほうが偉く、 作る人を下に見る風潮があります。みずほ銀行のシステム構築が失敗したのはその最たる例で、依頼者側が制作者側とまともなコミュニケーションを取る気がなければ成果物が良いものになるわけがありません。

偉いと周りから思われてる人、政治家や経営者などは自信家が多くセンスがあると勘違いしている人が多い印象です。 しかし、政治家も経営者も役割のひとつであり、仕事で上も下もありません。ちゃんと専門家をリスペクトして話をきく。これができなければ、今後も残念な制作物が量産されることでしょう。