来兎の研究室跡地

作曲家、来兎の雑記です

転売ヤーの本質は「勝てるギャンブル」ではないか

転売ヤーが「稼ぎは月10万円以上」というニュース記事を見かけたのですが、ここでわざわざ10万円以上と書く意味を考えてみると、ここで言いたいのは「10万円」稼いでるとおそらく言いたいのだろうと推測されます。

文章の流れからそう考えてるのは転売ヤー自身であり、転売ヤーにとっては10万円は「稼げている」わけです。 しかしこの記事を読んだ大抵の人は「たった10万?」と思うのでは。

私も転売の作業プロセスを考えてみると、とても割に合う仕事だとは思えません。 ただ、別の側面から考えてみるとある意味割にあってしまうんじゃないかなとも思います。

それは、シンプルに「楽しいから」です。

一旦転売という悪質性を抜きに考えてみると、商品を仕入れてそれに利益を上乗せして売るという行為は成立すると、自分の仕事が報われたようでとても嬉しいことでしょう。

この「仕事をして自分で稼いだ」という実感を、果たして普通に勤めて得られるでしょうか?

もちろん会社勤めでも月給はもらえます。しかしこれは時間を切り売りした結果がほとんどであり、額も大きな変動はありません。

その点、転売はうまくいくときもいかないときもあるでしょう。私は転売ヤーが転売にハマる理由はその程よい不安定さにあると考えています。つまり、転売ヤーの根底はあるのは「勝てるギャンブル」ということではないかと。

毎日8時間辛い仕事を我慢しながら働いてもらう15万より、商品が売れたときに高揚感が得られる転売の10万のほうが転売ヤーにとって日々の充実度が高いのではないかと思うのです。

転売ヤーが横行する理由の1番はネットによる超低コスト販売プラットフォームの登場ですが、2番めは会社務めが辛いという理由があるんじゃないかと思います。

本来商品を作り売って楽しく充実感を得るべきはメーカーと、その商品に真っ当に関わる人々です。転売はその商売の楽しさを横から掻っ攫ってギャンブル化しているのです。

転売をなくする方法は転売プラットフォームの規制がまずひとつですが、転売という行為を「楽しくない」流れに持っていく必要があると思います。人は楽しくなければ自然にやらなくなりますから。