来兎の研究室跡地

作曲家、来兎の雑記です

パン屋と個性

高級パン屋ブームは「考えた人すごいわ」「夜にパオーン」「すでに富士山超えてます」など”個性的”な店名が話題となりました。

すでにブームは去ったようですが、この高級パン屋の流行は”個性”とはなんなのか考えさせられます。

流れに乗って耳目をひく奇抜なネーミング、お金をかけない外装に内装、商品、価格設定、どれをとっても無個性。単純にテンプレートに沿った作りです。

どうもベーカリープロデューサーという方がこの高級食パン開業ブームを牽引したっぽいですが、私としてはこの方を批判するつもりは全くないです。多分専門家が”本当に”新しい提案をしたところで、依頼者が理解できずに過去の成功例を安心材料としてすがるでしょうから。せいぜいネーミングを個性と捉えて新しいことをやった気になるぐらいのものでしょう。

こういう、過去のルールに乗っかっているのに気づかず個性的を気取るというのは割とよくある話だなと。

「良いものを作っても売れなければ意味がない、だから目立つ努力をする」みたいなので斬新な名前をつけるのは分かるんですけど、その行為自体がすでに平凡化しているし、そもそもその商品自体の個性も他人だよりの借り物では根本的に間違えてると思うんですよね。
専門家の力を借りるにしても、 自分なりの考えとある程度話ができるぐらいの勉強は必要。

結局、ちゃんと考え続けてるところだけ残るんじゃないですかね?