来兎の研究室跡地

作曲家、来兎の雑記です

偶然に理由を探すはやめた方がいい

最近有名な経営者の本を読んだんですが、ざっくり要約すると「努力し尽くせば運(偶然)が味方する」という内容。 この手の話は成功者のエピソードで多いんだけど、私はこの考え方はある意味宗教的感覚であり全く共感できないです。

自分が「運が努力の味方をした」と個人的に思うだけなら全然構いませんが、それを一般化しないでほしい。

こういう努力と運の関連付けというのは非常に悪質で、裏を返せば「運が悪いのは努力が足りない」となります。

地震で被害を受けた人は努力をしなかったからか?当然そんなことはないです。だけど、こんなことにも他人から「日頃の行いが悪かった」とか勝手な理由をつけられたりします。

 

自身のことならともかく、無関係の他人に行い云々いうのは良くないです。

 

世界は偶然の連続で、偶然には理由はありません。だから理由がないものだと受け止めなければならないのです。人間はどうしても物事に理由を求めます。有名な経営者ですら理由がないことに耐えられないのです。

 

断言しますが、努力と運は無関係です。原因と結果の法則とは似て非なるものです。

 

「努力し尽くせば運(偶然)が味方する」のではなく「運(偶然)を自らの努力によってポジティブに変えた」のです。この2つは全く意味が違います。

 

そこを混同させないように。

沖縄の同人の思い出

神野オキナさんが沖縄のサブカルの歴史をまとめてた記事を見たので、昔のことを思い出しました。私が初めて同人誌というものを知ったのは中学2年のときに、学校の図書館になぜかあった聖闘士星矢のコピー誌。実はこれ同級生のひとつ上のお姉さんが描いたものでした。絵柄はオリジナルの車田正美とは違うちょっと少女漫画寄りで、そこがまた魅力的に見えました。その後、私は18歳のときに友達とNEXTという同人サークルを立ち上げて、同人誌を作り始めます。私も二次創作漫画を描いていました。沖縄も90年代は同人誌のクオリティが本当に高かった。スペースで売り子をしているきれいなお姉さんたちが、ドラゴンボールサムライスピリッツの同人誌を描いてるのです。1998年頃ぐらいから同人誌即売会の規模が大きくなって、スタジオYOUが沖縄コンベンションセンターで開催するように。2000年には本家コミケが沖縄でリゾコミという即売会を開催しました。

 

ただ、2000年以降は同人誌を作り売る人は減っていきました。かわりにコスプレイヤーとアクセサリが激増。イベントの求められ方が変わってきたのです。ネットの隆盛もあり、同人誌などのコンテンツの中心はネットに移ったのでしょう。今は地方在住の漫画を描く人や絵師は最初からネットで発表しています。そういう人たちはの多くは即売会イベントには出てません。下手するとそうしたイベントの存在すら知らない。あの、地方の片田舎の同人誌即売会で面白い同人誌に出会う感動。描いてる人が同じ地域に住んでるんだという嬉しさ。それがなくなってしまったのは個人的に残念です。

コンテンツが古くなれない時代


興味深いポストを見かけました。

今の若い世代は絵の古さを気にしないらしいです。

 

これ音楽でも感じていることで、いわゆるゲームの「ピコピコサウンド」はレトロゲームの象徴として使われることが多かったけど、今ではチップチューンという音楽の手法のひとつとして捉えられて、レトロというイメージから離れつつあります。

 

考えてみれば、「古くなる」というのは時間経過によるものですが「古く感じる」というのはそのコンテンツや事象にアクセスできなくなることで記憶が薄れゆくから起こるものです。

 

今やコンテンツはネットで手軽にアクセスできるものであり、漫画もアニメも音楽もゲームも映画もテレビ番組もネット上に存在すれば時代関係なく扱われます。

 

「あのアニメまた見たいな」と20年前のアニメもU-NEXTで検索すれば即見れてしまうのです。

 

2000年以降の生まれの人からすれば「懐かしい」の感覚はそれ以前の人とはかなり違うかもしれません。

 

「寂しい」という感情も距離が離れ会えない話せないことから芽生える感情ですが、地球の裏側へもスマホで気軽にビデオ通話できる今では寂しくなることさえ難しいかもしれません。

 

コンテンツ制作というものは受け手の感情を刺激するためのものです。

その感情への刺激の仕方はかなり変わってくるんでしょうね。

給食ぐらい自由に食わせろ

www.yomiuri.co.jp

私は昔から学校嫌いではあるんだけど、すごく酷い先生に遭ったというほどのことはなくて、全体的に広く先生運が悪く、しょぼい先生に当たりまくったというのがあるのです。

ただ、それだけでも将来を左右する義務教育に、ろくな教育をされてない先生を放置しやがってという感情は今でもあります。(良かった先生もちょっとだけいます)

 

しかし、上記のニュースは私のなんかより全然酷い。

 

私は「食べさせない」と「嫌いなものを食べさせる」というのが本当に許せない。これを学校の先生が教育とかしつけとしてやるのだから、学校とは虐待機関なのか?と思ってしまう。

「嫌いなものを食べさせる」は普通に強要罪でしょう。栄養的に何でも食べたほうが良いのはわかる。でも、それを他人に口出しするなと。たとえ先生であろうとも。

このニュースの「食べさせない」なんて生存権の侵害です。憲法違反です。市が闘う姿勢とは、意味がわからない。

学びなんて健康であるからこそできるわけで、健康を損なうようなことを先生がしておきながら「勉強しろ」と先生が言うのはおかしいので、先生辞めさせたほうが良いです。

ただ、こういうことをする人はおそらく子供の頃に親に同じことをされてたと推測されます。でなければ学校で「給食を食べさせない」ということを罰にするということを普通は思いつかないです。

もしそうであっても、先生が悪いですけどね。それこそ「反面教師」に出来なかったのですから。

映画「一生売れない心の準備はできてるか」

f:id:lisa-rec:20231013151616j:image

映画見てきました。やちむんというバンドのドキュメンタリー的な映画。

タイトルの「一生売れない心の準備はできてるか」ですが、特にそういうのを掘り下げるという感じではないです。やちむんのリーダー奈須重樹さんのいきあたりばったりな感じの半生を歌をはさみながら見ていく感じ。

売れてるか売れてないかで言えば、売れてないのかもしれない。

けど、25周年ライブでは18人という大編成バンドで開催できるというのは、その4半世紀に培ってきたものがなければできないわけで、バンドを組んだことのない私から見るととても幸せな音楽生活を送ってきたんだろうなと見える。

しかも、こうして映画をとってくれる、配給までしてくれる仲間もいるのです。

人生の成功というものはどう測るか難しいものです。売れることが成功ならば、「売れ終わった」あとはどうするのか?一度味わった最高の果実をもう二度と手に入れることは出来ない。そんな現実受け入れて生きていくというのは、それはそれでキツイんじゃないかなと思います。やはり身の程というものはある。

 

口では売れたいなぁといいつつも案外現状も悪くない。そんな感じがちょうどいい。

 

それはそれとして、もうちょっと売れたいなぁって思います。

クレイジーケンバンドのすごさ

f:id:lisa-rec:20230918135232j:image

那覇の商業施設でクレイジーケンバンドのミニライブがあったので行ってきました。

バンド形式ではないだろうからカラオケで歌うのかなと予想してたら、なんとDJブースを作って自分でまんま歌入りのCDをかけて、かぶせ(歌入りの音源の上に重ねて歌う)で歌ってました。

これがまた曲のかけ方、歌、トーク、どれもフリーダム。なのに手を抜いている感じではないのです。商業施設でのミニライブでディープなファンも全く知らない人もいる中、目線の送り方やトーク運びなどベテランの風格。このゆるい空気感も実力あってのこと。とても真似できるものではないです。

このイベントで、私は2002年に『グランツーリズモ』というアルバムを買って以来20年以上ぶりに新作アルバム買いました。タイトルは『世界』

20年以上経ってもサウンドは変わらずハイクオリティ。歌謡曲的なダサさをクールなサウンドくるみ化学変化を起こし、お洒落で経年劣化に強い楽曲に仕上げています。ほんとにすごい。

そして、今回久しぶりにCKBを聴いて一番すごいと思ったのは、ほぼ毎年のようにアルバムをリリースしているのです。

40歳を越えたアーティストはアルバムリリースの感覚が4,5年余裕で空いたりしますが、98年のデビューから20枚以上のアルバムを出してるのは凄すぎます。

いつか自分のアルバム作ろうかなーなんて考えて気がつけば10年ぐらい経ってる私は猛省しなくてはなりません。

 

生放送500回

f:id:lisa-rec:20230904031137j:image

毎週土曜の23時から「来兎教」なる生放送を12年ほど前からやっております。かなりグダグダで、ちょいちょい休んだりしながらも、コロナが降ってきた3年前からは仕事や集まりなど生放送を休む理由がなくなり、結果毎週ほぼ欠かさず放送したのでついに500回に到達しました。すごくないようでちょっとすごい気もします。

放送内容は行き当たりばったりでしたが、最近は1週間を生き抜いた者たちの生存報告の場となっています。

こうなるとなかなかやめるわけにもいかないので、とりあえず1000方放送までは頑張りたいと思います。