来兎の研究室跡地

作曲家、来兎の雑記です

来兎のかなり偏った音楽制作講座(2)”音楽”と”モテ”

そしていきなり音楽制作話から脱線します。

私は高校生に上がってすぐ、塾が同じだった他の高校の知り合いにコピーバンドに誘われました。私のパートはキーボードで男4人バンド。それまでバンドはやったことがなく、楽しそうなイメージだったので楽しみにしてました。
しかし、初めてのリハスタでの練習は非常に残念な感じで、小節数を数えずに気分でフィルを入れて周りを驚かせるドラム、コードが覚えられないギター、リズム感の悪いベースとまぁ1曲完走するにもほど遠い状態でした。私は小学4年から3年ほどエレクトーンをやっていたので、軽くコードネームさえ確認できればとりあえず大丈夫な状態でした。(っていうかリンドバーグのコピーだったのでキーボードは居なくても問題ない程度、白玉コードばっかりでつまらない楽譜でした)

誰だって最初は初心者ですからそこはしょうがないのですが、リーダーがいきなり「一ヶ月後にライブだから」と言うわけです。いや、無理だし。身の程を知れよと。その日は8小節もまともに演奏できずに帰りにチキンカツ定食を食べて終了。


次の週。

リハスタに行くと、なぜかそこに女の子がふたり居るのです。何事かと聞けばギターがこう言ったのです

「これからバンドを始める女の子達にギターを教えている」

「は?」

もう無理。リーダーにバンド辞めると伝えました。

モテたいからバンドを始めていたわけです。よくある話ですね。
私がバンドを辞めたのは、他のメンバーがモテたくてバンドを始めたからではなく、モテるほどのスキルを持っていないうちに女の子を呼んでキャッキャウフフしているので、上手くなる前に満足してもう伸びないと思ったからです。ある程度のスキルが他のメンバーにあったら私もしっかり練習してたでしょう。そりゃモテたくないわけはないですから!音楽も出来てモテたらもう最高ですよね。


理想は

モテたいからバンドを始める

バンドを始めたのになぜモテない!?

曲(演奏)が良くないからか!?

モテる曲を必死で作るぜ!!

あ、なんかちょっとファンが付いたし!

もっと良い曲(演奏)ならばもっとモテるはず!!と練習

素晴らしい上昇スパイラル↑

です。


でも、物事を始めるきっかけなんて人それぞれで、それがなんであっても良いわけですよ。でもモテるのが真の目的なら、それバンドじゃなくてもよくない?

これから音楽を作ってみたい方は、どうしてそれを作りたいのか、どんなものが作りたいのか一度紙に書き出してみて下さい。別にそれがモテるためでもかまいません。ただ、モテるために曲を作るのなら、それだけの実力が必要になりますし、そのモテたいと思うターゲットに聴いてもらうためにどうすれば良いかを考えなければなりません。テクノなのか、ジャズなのか、それに必要な楽器や機材は何か。その考えの整理をするために書き出してみることは重要です。これをやるだけで行き当たりばったりで機材を買って無駄金を使うことも減ります。

私はその頃将来はゲームの音楽を作る職業に就きたいと思ってました。だからバンドもその為のスキルアップとして考えてましたが、この一件で学生バンドに非常に偏見を持ち、その後学校のバンドや音楽関係とは一切関わりなく(選択授業も音楽でなく美術をとってました)家のパソコンでひたすらMML*1を打ち込み、シンセ内蔵のシーケンサーのメモリいっぱいまで曲を作りました。

ある意味、そのバンドのおかげで今こうして作曲の仕事してるのかもしれませんwバンドが楽しかったらそこで満足して父に言われるままに公務員とかになってたかも。

*1:音符をアルファベットで書いていく音楽のプログラミング言語みたいなもの。今ならサクラとかあります