来兎の研究室跡地

作曲家、来兎の雑記です

児童虐待の美化とコンテンツ化

とあるテレビ番組で、ピアニストが幼少の頃母親からクラシックのピアニストになるためにきつい教育をうけたというのを再現ドラマでやってたのだけど、内容はどう見ても児童虐待なんです。

番組としては、その辛い練習の日々があったからこそ今ピアニストとして大成したという風にしたいんでしょうけど、それは結果論であり虐待していた事実は変わりありません。 

この再現ドラマのあと、ひな壇の男性アイドルたちの幼少の頃のエピソードがまた「レッスンが上手くいかかったとき、帰りの車から降ろされて「走って帰れ」と言われた」などさらっと虐待エピソードを披露してしまうのです。本人はそれが虐待だったという自覚がない、またはそれを虐待だと認められないのだと思います。

その親子関係に関してはプライベートなことなので正直別にいいのです。そのピアニストやアイドルの親子間がそれで今わだかまりがないのならそれで良かったねですみますし、わだかまりがあるのならそういうこともあるよねと。そんな感想は持ちますが、別に他者のやり方に思うところはあれど口を挟むことではありません。

しかしながら、しかしこの児童虐待話を面白いと思ってコンテンツ化したバラエティ番組制作陣は結構ヤバいと思います。このピアニストやアイドルたちはたまたま成功しただけです。番組の構成は、児童虐待を肯定するものであり到底許容できるものではありません。

親の意向で厳しく子どもをコントロールすることと、ネグレクト(育児放棄)はどちらも親が自分を優先させて子どもをないがしろにすることであり、本質的には変わりません。

このズレた番組作りをテレビはいつまでやるのかなぁと、そこにはちょっと興味あります。